段取り八割

段取り名人はタイル施工も上手い。
段取りが早い人は仕事も早い。
仕事は段取り八割。
つまり、段取りが終わった時点で仕事の八割が終わっている。

「仕事は段取り八割だぞ」
親方からたまに聞くこのセリフ。私は段取りがへたくそです。

ある現場で一緒に働いたタイル職人Kさんの話です。
Kさんは、その現場でタイルの職長さん。つまりタイルチームの親方です。
いつもタイルチームの職人皆が気持ちよく休憩したりできるよう気を配って頂いてました。
その現場は大きな現場だったので、いつも休憩室は色々な職人達でごった返していました。
ある時Kさんが、
「なんか、無駄なスペースがあるんだよなぁ、、、」とボヤキながらスケールで
休憩室の長さを測り、机の長さを測り、をしておりました。
私 : 「どうしたんですか?」
Kさん : 「なんだか、もっと上手く机を並べたら、もっと人が座れる気がするんだよ。」

Kさんのその動きは、まさにタイル職人が現場でするタイル割りの計算のごとく、
プロフェッショナルな動きです。
しばらくすると、Kさんが乱雑に並べられていた机の向きに変えていきました。

「これで座る人数が増えたぞ。」
満足げなKさんを見ながら、私は「段取り八割、、、」のセリフを思いだしていたのでした。

余談ですが、タイル職人は田植えも上手いとか。
そりゃ、そうですよね。何かを等間隔に並べるのは、タイル職人にしたら朝飯前なんだろうと思います。

職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)
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職人修行はモノマネから

「真似る]とは真に(まことに)似ること。

職人の世界は、親方の真似から始まります。
親方のモノマネをして、はじめはなんでこうするかは全然解らないですが、
とにかくモノマネして、、。
を繰り返していく内に、なんとなくできるようになってきて。
自分ができるようになってからはじめて、
あ、この動きってこうする為だったのか!
と気付くことがほとんどです。

私のモノマネ体験の1つに、くし目のコテでのボンド塗りがあります。
初めてやってみろと言われたときは、あまりのできなさに15秒ともたず、
「ボンドが乾いちまうぞ。もういいよ、どけ。」
と言われ、なぜ、できないか自分でも全然解りませんでした。

それでも、少しづつ機会を得て挑戦して、
現場では親方のコテさばきを盗み見して、、の繰り返し。
最近、少しはマシになったと思ってます。
例えば、ボンドを塗った端っこ。
親方のは綺麗な端っこなんです。ホレボレするくらい。
まさに、日本庭園の枯山水です。
ところが、私のはぎざぎざ、べしょべしょ。
それでも、親方の動きをモノマネしていたら、、いつの間にか、あら、綺麗。
私の割には、いい端っこになってきました。
親方が手前で何回かクシ目を引いていたあの動きは、端っこに綺麗さにつながっていた。
と気付いたのは、やっぱり自分で少しできるようになってからです。

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技術はさておき、私が真っ先に親方に似てしまったのは、
親方の口癖、日常会話的裏職人用語です。

※「暑いな、こんちきしょー!」(訳 :「暑いな、でも仕事だ!」)

※「上手くねぇな。」(訳 :「このタイルの割り付け、寸法が綺麗に納まってない。」いい納まりの時は=「上手い!」と一言。)

※「あのボンドはだらしねぇ」(訳 :「あのボンドは粘度が足りなくて、タイルを張ったときにだらっと動いてしまう。」マヨネーズとお餅じゃどっちの方が動かないか、とういような違いでしょうか。)

さて、私がこの一年親方の真似で一番うまくなったのは、
タイル施工の技術ではなく、口の悪さかもしれません。

職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)

タイルの下はシゴかれる

『シゴく』

これも、現場ではよく聞くセリフです。

“俺が明日シゴいとくから”

いやぁ、弟子としては焦ります。みんな平気な顔でこんな会話をしてますから。

シゴくとは、タイルの下地がボコボコの時に薄くモルタル塗って、平らにしとくよってことです。タイルを綺麗に張るのは、下地にとても影響されます。下地が平でなかったら、タイルが綺麗に仕上がりません。モルタルで高低差を調整する『バサモル』という方法もありますが、床にしか使えないし、万能ではないです。『バサモル』はバサバサしてる砂を盛るから『バサモル』って言うんだ!ってのは、親方のセリフです。

ちなみに、シゴき用のコテであるコテ屋さんのシリーズに『スパルタ』というシゴきこてのシリーズがあるとか。

職人用語って、とにかく誰にでも解りやすい、、、もしかしてオ◯ジギャグのエッセンスが混じっているような、、こういった会話にバンバンついていくのも、修行のひとつです。

職人修行はどこまでも続きます。(記: 吉永)

いつも行っているコテ屋さんで見つけたスパルタシリーズ。
いつも行っているコテ屋さんで見つけたスパルタシリーズ。

にじいろジーン

フジテレビ系列で放送されている『にじいろジーン』という番組で紹介していただきました。
アトリエで普段行っているタイル作りや、タイル施工の様子を先日収録しました。
私、吉永のミラクルチェンジも乞うご期待 !
タイルの魅力を広く知ってもらうため、幅広い方々へぜひ観ていただきたいです。

放送は6月13日土曜朝8:30 – 9:55です。
9時10分頃のミラクルチェンジのコーナーにて、出演しております。
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ニラまれる目地

目地についての考察、続きです。

目地の面倒を見たあと、次は目地をニラみます。

面倒かけた目地たちこそニラまれるんです。まるで学校の生徒たちのよう。
その姿はよく大工さんが木材の目をみたり、まっすぐか確認しているような感じに近いでしょうか。
タイルは焼き物でまっすぐ直線ではないので、目地も完全な直線にはなりません。
でも、目地があまりにぐにゃぐにゃしていたり、どこか一つのタイルがコケていたりしないか目地をニラみます。

人の目の習性で、人の目線当たりの目地は横目地が気になるそうで、横からニラみ目地の歪みを直します。
反対に目線の上と下は縦目地が気になるそうなので、縦にニラみ目地を直します。
全体でまとまるように、そして歪みが気にならないように、一歩ひきつつ眺めるような感じです。
この目地をニラむは、親方がやっているので真似してみますが、全体を捉えつつここを直せばよくなるのかな、を感じるの難しいです。定規で計るものじゃないので、セオリーがありません。

ニラまれた目地たちは直され、目地材を詰めスポンジで綺麗に拭きあげれば、さあ、タイル工事は完成です。

職人修行はどこまでも続きます。(記: 吉永)

モザイクタイルの横目地を二ラんでます。
モザイクタイルの横目地を二ラんでます。

職人さんのお洒落ごころ

さしがねは、ステンレスの直角に折れ曲がった定規です。
そして、施工現場では必須アイテムでもあります。タイルの墨出し、隙間の寸法、、、。
このさしがねに干支が刻印されているレアアイテムがあります。
干支なので、12種類。自分の生まれ年の干支のさしがねを使うって、職人さんのおしゃれ心を感じます。
それと、現場で他の人の道具と見分けやすいって利点もあるのです。
さしがねは名前を書くところもないので、あまり名前を書いている方も少なく、
現場では他の職人さんの道具と間違えやすいアイテムNo.1かもしれません。
そんな中、干支入りさしがねなら自分のだとすぐ解ります。
そして、年もバレてしまうんですね、きっと。一回りは年齢のサバ読めませんね。(記: 吉永)

干支入りさしがね。卯のマークが入ってます。
干支入りさしがね。卯のマークが入ってます。