目地を拭く

目地を詰めて目地を拭く。
単純な作業なのに、これが奥が深い。
まだまだ、まだまだできません。

先日のこと、目地のふきあげを任されたトイレの個室2つ。
左右に並ぶトイレ個室は、同じタイルの色違い。

目地を詰めて拭き上げたときに、どの程度目地を掘るか(深くするか)、完全なルールはありません。
タイルの形、デザイン、大きさによって一番タイルが美しく見える目地の深さを、
タイル職人が現場で考えていることが多いです。
図面で目地幅3mmなど指定があることがあります。
(実際には図面通りにいかないことも多く、その場合目地幅3.2mmにしようなど職人が現場で決めています。)
ただ目地幅でなく目地の深さはほぼタイル職人が現場で考えています。
(レンガの施工などで、浅めにとか深めにとかの指定はあります。)
そして、目地の深さで、見た目はけっこう変わります。
格好よくなったり、可愛らしく素朴になったり、、etc。

さて、私が任されたトイレ2つの目地の深さは、気付くと左右の個室の目地が1つは深く、1つは浅くなってました。
どうしたものか?親方に相談すると、
トイレなら浅い目地の方が汚れがつきにくい、でもこのタイルなら深く掘った方が可愛い。と親方談。
目地の世界は奥深い、、、タイルを引き立てる女房、それこそが目地。
たかが目地。いや、されど目地。
本当に、難しいものです。

職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)

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砂何袋?

「で、砂は何袋?1袋で足りる?」

わ、ヤバイ、解らない、、、。けど
「1袋で足りるんじゃないですかねぇ、、。」
なんとも歯切れの悪い私の受け答え。

これは先日私だけが、先にその現場を見ていて、
さぁ明日からいよいよ乗り込みだぞ、という日の親方との会話。
そこは、タイルの下地を3cm近くつけなくてはならず(現状から3cmモルタルを塗って厚みを出すこと)、そこに使う砂とセメントの量を親方に聞かれたのです。

「1袋は無理だろ、3cmつけるって聞いてるぞ。ちゃんと、計算してみろよ !!」

辛うじて現場の写真だけを撮ってきていたので、そこから考えました。
写真から推測して、幅600mm、高さ1800mmの所に厚み30mmのモルタルをつけるには、、、
モルタルの量は「立米(りゅうべい)」という単位で計算します。
私は、タイル屋になるまで知らなかった単位です。
「平米」が1m x 1m
平面でなく立面、つまり高さもいれて
「立米」は 1m x 1m x 1m です。

つまり必要なモルタルは、0.6m x 1.8m x 0.03 = 0.0324立米。

そして1立米に砂は60袋、セメントは20袋使います。
現場ではこの配合を、「砂3セメ1(すなさん、せめいち)」と言います。これを言えると少し職人ぽいです。

それで、先ほどの0.0324立米のモルタルに必要な砂は、
60 x 0.0324=1.944袋
となります。

つまり2袋必要です。
無事に2袋現場に持ち込み、ギリギリだなと言われながらも事なきを得ました。
今年の目標の一つに、現場を見てここには砂何袋、セメント何袋、目地何袋、、など
解るようになろうと思ってます。
でも、目分量にはまだ到底追いつかないです。

3cm厚みがついてます。
3cm厚みがついてます。

タイル施工って、ボンド塗って張って、目地して完成。
じゃ、なくてタイルを張る下地作りに労力が半分かかってるんじゃないかと思います。
料理人が、材料の下処理をしてから料理を始めるように。
モルタルのタイル下地、一人でちゃちゃっとできるようになりたい、、、の前に
数量位は拾えるようになりたいです。
ちなみに、今大体のセメント袋は25kg入りです。
私だと25kgがちょうど限界だなと、思うのですが昔はこれが50kgだったらしいです。
それが、40kgになり今の25kgになったようで。
セメント50kg時代に職人を志していたら、早々に諦めていたかも、、、と思います。
時代は繰り返すと言いますが、セメント50kg時代だけは繰り返してほしくないです。

職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)

職人の小ワザ

ボンド張りの現場は、コテをシンナーで洗います。
ちなみにモルタルで張る場合なら、全ての道具が水で洗えます。
ボンドは色々な所に接着しやすい反面、水で洗えなかったり、手がベトベトになって、
その手でタイルを触ってしまって、タイルも汚して、、、etc
施工面では不便で、あんまり好きじゃないという職人さんも多いです。

ある日のボンド張りの現場。
コテを何度も洗うのにハケを使おうとなりました。
ハケを付けておくために詰所(休憩室)にあったコーヒーの空き瓶を使うことになり、、、。
親方がおもむろに瓶の蓋に切れ目をいれました。それも目見当で。
「よし」
親方の満足気な声で見てみると、ハケがぴったり瓶にはまってます。
で、思わず写真を撮ってしまいました。

IMG_0678

目見当も職人ワザのひとつです。
目見当も職人ワザのひとつです。

工事現場では、職人さんがその辺に落ちているもので、
ちょっと工夫して何かを作っているのをよく見かけます。
そういうものを目にすると職人ってやっぱり工夫して手を動かすのが好きなんだなぁ、、、
としみじみ思って、なんだか嬉しくなります。
職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)

弘法筆を選ばず

さて、今日は1日左官仕事だぞという日に、コテ板を忘れた親方。
コテ板がなければ仕事にならないので、取りに帰りましょうか?
などと相談してましたが、、、、
現場に落ちていた発泡スチロールを削って持ち手にして即席コテ板の完成です。


見た目は少し悪いですが、これで仕事は無事にできました。
「弘法筆を選ばず」とはこのことでしょうか?

私の技量は弘法にはまだ遠く及ばないので、道具を大事に忘れ物しないようにします。
職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)