職人修行はモノマネから

「真似る]とは真に(まことに)似ること。

職人の世界は、親方の真似から始まります。
親方のモノマネをして、はじめはなんでこうするかは全然解らないですが、
とにかくモノマネして、、。
を繰り返していく内に、なんとなくできるようになってきて。
自分ができるようになってからはじめて、
あ、この動きってこうする為だったのか!
と気付くことがほとんどです。

私のモノマネ体験の1つに、くし目のコテでのボンド塗りがあります。
初めてやってみろと言われたときは、あまりのできなさに15秒ともたず、
「ボンドが乾いちまうぞ。もういいよ、どけ。」
と言われ、なぜ、できないか自分でも全然解りませんでした。

それでも、少しづつ機会を得て挑戦して、
現場では親方のコテさばきを盗み見して、、の繰り返し。
最近、少しはマシになったと思ってます。
例えば、ボンドを塗った端っこ。
親方のは綺麗な端っこなんです。ホレボレするくらい。
まさに、日本庭園の枯山水です。
ところが、私のはぎざぎざ、べしょべしょ。
それでも、親方の動きをモノマネしていたら、、いつの間にか、あら、綺麗。
私の割には、いい端っこになってきました。
親方が手前で何回かクシ目を引いていたあの動きは、端っこに綺麗さにつながっていた。
と気付いたのは、やっぱり自分で少しできるようになってからです。

karesannsui

技術はさておき、私が真っ先に親方に似てしまったのは、
親方の口癖、日常会話的裏職人用語です。

※「暑いな、こんちきしょー!」(訳 :「暑いな、でも仕事だ!」)

※「上手くねぇな。」(訳 :「このタイルの割り付け、寸法が綺麗に納まってない。」いい納まりの時は=「上手い!」と一言。)

※「あのボンドはだらしねぇ」(訳 :「あのボンドは粘度が足りなくて、タイルを張ったときにだらっと動いてしまう。」マヨネーズとお餅じゃどっちの方が動かないか、とういような違いでしょうか。)

さて、私がこの一年親方の真似で一番うまくなったのは、
タイル施工の技術ではなく、口の悪さかもしれません。

職人修行はどこまでも続きます。(記 : 吉永)

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