タイル職人の歩き方

目地をニラむ記事を書こうと思ってましたが、一つ反省を含めて書きます。
私が、現場でまず1番身につけなければならないこと。それは、現場の歩き方だと思われます。
私なんかはよく親方に
「お前は現場で立ってるだけなのに、なんかどんくさいんだよなぁ、何でだろうなぁ、、」 と、言われます。

確かに職人さんの現場での立ち振る舞いって、カッコいい。
歩き方なんてスッスッと早くて、なんだか軽やか。立っている時もドッシリと安定感があります。
そんな中、タイル職人さんの歩き方は独特です。特に、床タイルを張っている現場の時など、ペタッペタッと忍者が水の上を歩くみたいに足の裏全体をつけます。
これにはちゃんとした理由があって、張り終わったタイルの上に均等に体重をかけようとしているのだそうです。つま先歩きでスッスッと進んでいたら、それはきっとタイル職人さんじゃないです。
タイル工事は、目地を踏んじゃいけないとか膝をついちゃいけないとか、ペタッと歩けとか、ルールがあります。
そして、1番やってはダメなこと。今、張ったばかりのタイルを踏んづけることです。そして、それを今日やってしまいました。
親方が張ったばかりのタイルを見事に踏んづけ、タイルはぐちゃぐちゃ、当然親方には怒られ、、、
「次はないぞ、次やったらレッドカード、退場だからな 」

タイルを踏んづけないのは、当たり前。
立ってるだけでドンくさいも早く卒業して、現場でカッコよく立ったり歩けるようになりたいなぁと反省した1日でした。

職人修行はどこまでも続きます。(記: 吉永)
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目地の面倒をみる

タイルとタイルの間、温度や湿度によるタイルの膨張収縮でタイルどおしがぶつかって割れてしまうのを防ぎ、タイルが綺麗に納まるよう調整する、という偉大な役割りを持つ目地。
主役はタイルにゆずるけれど、そのタイルを引き立たせるのは目地の役割です。
そして、現場ではこんな会話が飛び交います。

「この辺、もうちょっと目地の面倒みてやって。」

「あー、無理か、じゃタイルいじめちゃっていいよ。」

目地が主役となるこの会話。現場では毎回のように目地は面倒をみられたり、目地のせいでタイルがいじめられたりしております。
そして目地の面倒みるというのは、目地幅を調整したり、ゆがんでいるタイルを整ったように見せるためにもう少し手をかけて、ということなのではないかと思います。
私も、何度かタイルの並びがバラバラでこんなのキレイにできないよ、と思ったことがあります。でも、目地を信じて根気よく面倒みていくと、目地もそれに答えてくれるんです。
そんな時、目地がまるで子供のように思えてきて、面倒みてよかった。手間かかるヤツだったな、と思うのです。そして、その手間をかけた部分が他のところよりちょっと好きになってしまうのです。

そして、そして、目地の面倒が見きれない時は、なんとタイルがいじめられてしまいます。
初めて聞いた時は衝撃でした。
親方が「タイルをいじめて。」と指示するなんて。あのタイル好きの親方が、、、。
でもそれは目地調整でなんとかならないから、タイルをいじめる=切るで対処するということでした。タイルがいじめられなくてよかった。まあ、切られてしますのですけど。
目地の面倒をみるというのは、目地調整することでなるべくタイルを切らないでおこうということでもあり、結局はタイルを切らなくてすむ=面倒なことにならない、ということでもあるようです。目地とタイルの関係は奥深いです。まだまだ私には、解らないことだらけです。

職人さんは毎日のように目地の面倒をみてるいるのだろうなと思います。
そして、目地の面倒がみきれない時は、タイルがいじめられてしまいます。
面倒をみきれないといじめられる、タイルの世界はまるで人情劇です。

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次回は、面倒をみられてニラまれる目地について書きたいと思います。
職人修行はどこまでも続きます。(記 :吉永)

ドラムって何?

先日、現場での一場面。
親方「ドラム持ってきて」
私はドラム、ドラム、、、ドラム缶!そしてこの場にあるのは、このアルミ製らしい入れ物?
なんとなく、ドラム缶風呂の小さくなったような風貌だし、、と水缶(正式名称)を持っていこうとうろうろ。
親方「何やってんだよ!早くしろ」
現場に響き渡る怒声。。
ドラムって、電気のコードがぐるぐるとハンドルで巻き取れるようになってるものの事です。
無言でドラムを持っていく親方の背中ごしに、ドラムってドラムってあれのことかと、一人合点した私でした。

職人修行は、どこまでも続きます。(記: 吉永)

これが、ドラムです。コンセントがたくさん差せます。
これが、ドラムです。コンセントがたくさん差せます。

夜道のお宝

先日、親方と夜道を歩いておりました。
おもむろに親方が道路脇に捨ててあるマットレスに近づいて行きます。
マットレスの弾力を確認して一言、
「いいね」
まさか、マットレスを拾うのかと一瞬危ぶみました(捨てるにはキレイなマットレスでした)。
が、一体何に使うのかというと、、、施工現場での拭き取りです。
そうです、マットレスのスポンジは立派な施工用品なのでした。
施工現場でスポンジは、タイルの目地を詰めたあとの拭き取り、あらゆる掃除の場面で、、、
と確かに大活躍です。そして、消耗品でもあります。
また新品だと硬すぎて使いづらい。
使い古されたマットレスのスポンジはその適度な摩耗が、即戦力のお宝なのです。
その上、マットレスのシーツは立派なウエスになります。
まさに、捨てるとこなしのマットレス。
その夜、誰かが捨てたマットレスはほくほくとアトリエに持っていかれました。
これは、日本中のタイル職人さんならきっと解っていただける、夜道に落ちているお宝のお話です。(記: 吉永)

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はじまり~タイル職人への道~

初めまして。
SHIRAISHI AMANE TIEWORKSスタッフの吉永 美帆子です。

少しだけ自己紹介をさせて下さい。
私は、元々油絵を描いておりました。が、キャンバスからタイルへと素材をかえタイルの絵付けを始めました。タイルを知り始めると、タイルは建材でありそのままでは製品にならない半製品だと気付きます。
では、どうするか?自分で作ったタイルを自分で張ってみたい。
その為には、施工を覚えよう。
施工を覚えようと思っても、建築業界全くのド素人です。
とにかく、情報を集めるところから始めました。
タイルの情報って、探してみると意外に見つかりません。
それでも情報収集するうちに、タイル職人・白石普のことを知ります。
しかも、タイルを張るだけでなく自分でデザインして粘土から素地を作り、
タイルを焼いて(しかも自分のアトリエで!)それを現場に納めている。
ピンときてしまいました。
私がやりたいと思っていること。それを、形にしている人がいる。
とにかく、話だけでも聞いてみたい。そして、あわよくば弟子入りしてしまおう。
そこから白石普のアトリエ・EUCLIDの門を叩き、タイル職人への弟子入りを志願、職人修行が始まりました。
職人修行を始めて、約1年。親方は白石普。(このブログでは、今後名前でなく”親方”と表記しようと思います)
私は、タイル職人修行中の身です。

こちらでスタッフブログを始めさせていただくことになり、
SHIRAISHI AMANE TIEWORKSで日々起こるタイル職人修行について、
自分の覚え書きを含め、書かせていただきたいと思います。
間違ったことを書いてしまうこともあると思いますが、修行途中ということで、ご容赦&ご指摘いただければ幸いです。
よろしくお願いします。(記: 吉永)

初めて買った仕事道具。目地を詰めるゴムごてです。
初めて買った仕事道具。目地を詰めるゴムごてです。